第2章 再開
終了のアラームに息を切らしていれば、ミーティングに参加していた名がボトルとタオルを準備して近寄ってきた。
「お、お疲れ様です!」
少し緊張気味だったが嫌な感じはなく、
「悪いな」
とそれらを受け取り、辺りを見渡せば既に先輩達は帰った様子。
受け取ったのを確認した名も直ぐ様帰りそうで、女一人、暗い外、考えつくのは
「おい!」
そう荒北に呼び止められ驚く名。
「・・・・送るから待っとけ」
と、返事もきかず更衣室へ向う荒北。
着替えて居る最中、
(いっそ帰ってたりしてな)
と、もの悲しく笑いつつ更衣室を出た。
だってそうだろう。
昔とはいえ、嫌いだと言った奴なんかと帰りたくもないだろう。
身支度を終えて部室へ行けば、一部だけついている明かりにどこかほっとし、覗くと外を眺めながら自分を待っている名の後ろ姿。
その様子だけでも可愛く思えて、未練たらしく眺めてしまう。
ハァァァァと、大きなため息をついてガシガシと頭をかき、ガラリと戸を開ければ肩を震わせ驚く様子もまた可愛いと思ってしまう。
「待たせたな」
とそっけなく言えば、首をふってこちらこそと謝ってくる名。
「・・・・帰るか」
「はい」
とバイクを引き、その横に付いてくる名。
話すことはあるけれど、何も話さない二人。
静かな帰り道。
「あの」
そしてその静寂をを絶ちきったのは名だった。
「せ、先輩はやっぱり、あの、あの荒北先輩なんですか?!」
しかもお互いが一番知りたかった事。