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【弱ペダ・荒】幼い奴ら

第2章 再開


「おはようございます!」
朝、ローラーを回していると聞こえてくる名の声。
相変わらず、そっちが覚えてないならばと話しかけることもなく過ぎていく日々。
そんな名は朝来ては部内の整理整頓をしていき、その様子に
(あんなに運動好きだったか?)
と思えば、それは名も同様で
(来てみて分かる)
荒北先輩は多分、部活がない日もローラーを回し、朝来ると居ない日はないと言うくらいに既に回している。
中学の時は見ても触れてもいけない存在に思えた人が今やこんな汗だくになりながら朝も夜もペダルを回す。
その姿が野球部での姿と重なれば、あれはあれで一生懸命だったのだ思う。
(見た目だけで判断して悪かったな)
勝手なイメージで片付けてしまった昔の事を申し訳なく思えた。


部活動での名は、室内練習時はメカニックとマネージャー業を兼務し、部室内をパタパタと動いては、気づけば男子に混じって道具をいじる。
中学時のおとなしいイメージから男子にまざり工具を扱うその姿に
(どっちも有だな)
と思いつつ
(いやいや、しょーもな)
と呆れてしまう。 
外練になれば前までは顧問やコーチ達の車に同行し選手達の後を追っていった。
そう、前までは。
あれはある日の外練習。
「今日の一年はせいが出るな」 
なんて皆で木陰で休み、先頭を走る一年生に感心していると、後ろから見慣れたジャージの見慣れた生徒がクーラーボックスがくっついた原チャに乗ってきて目の前で止まり
「ドリンクの追加は如何ですか?」
とヘルメットを外しながら降りてきたのはまさかの名。
「名ではないか!バイクまで走らせて、そんなに俺に会いたかったのか?良いだろ、うっ」
と東堂の長セリフを止めるように東堂の頬にボトルをあてる無邪気な名と、東堂もかまってもらえるのが嬉しいのか笑顔でじゃれあう。
ヒュウと新開が口笛を鳴らして
「お前さん原チャに乗れるのか」
と名にきけば
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