• テキストサイズ

【弱ペダ・荒】幼い奴ら

第1章 終演と再会


・・・・胡散臭い
(って何?!てか、私からしたら荒北先輩だってそうだし!!)
メカニックとして入部した自転車競技部。
荒北に言われた事がひっかかる名。
メカニックと言えどもレースには出て良いそうで、出る気があるなら女子の部のレースに出て良いとなり体力作りのメニューは一緒に受ける事になった。
しかしこれが大変で
「では行ってくるぞ!」
「はーいっ」
「苗頑張れよー」
「はーいっ!行ってらっしゃーい!!」
と、減らしてもらったメニューと言えども終える頃には先輩達が外練に行く時間になり、その際には先輩達が面白がってではあるがよく声をかけてくれた。メニューを終え、メカニックの先輩に仕事を教わり、合間でマネージャー業を兼務する。
知らなかった事が現れる度に先輩達との差を感じ、部活がある日は登校前に部室に寄ってバイクを整頓してから行く事が日課となった。
そして、それが日課となる初日。
部室の鍵の借り方も分からず試しに部室を覗きにいくと、一人早朝練をしている部員の姿。
(誰だろう?)
と覗き見ればとっさに窓影に隠れる名。
(なんで荒北先輩が・・・!?)
後ろ姿から荒北だと気付き、二人きりになるのも気が引けてその日は部室をあとにしてしまった。
しかし後から
『胡散臭い』
(ロードバイクに誠実じゃないって事?)
そんな訳あるか!と思い直してからは部長に許可を取り、朝、部室へ行く事に、
「おはようございます!」
挨拶には厳しい箱根学園。
戸を開けて挨拶をすれば
「····オゥ」
とローラーを回してるせいかこちらは見もせず無愛想な返事がくる。
整頓中、
(何をそんなに)
と必死にローラーを回す荒北の姿を見ながら、こんなにも荒北を変えたロードの魅力は何だったのか気になった。
そして、整頓なんてものはあっと言う間に終わってしまうもので
「お先に失礼します!」
と帰ると、来た時と同じような返され方かと思えば、「じゃーな」
と言われ、顔は向けずとも掌をひらひらさせた。それはこの時間に来ることを許された感じがして、以来、荒北の邪魔にならないようにしつつ部室に寄るのが日課となったのだ。
/ 10ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp