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【文スト】永久に枯れない花の色は

第6章 争いの日々の中で


―――

昨日と全く同じ状況。
1つベッドの中に仲良く居る太宰と薄雪。



唯一、違う点と云ったら衣服を纏っていないところだけ。


「……。」


スースーと。
自分の腕の中で規則正しい寝息を立てて気持ち良さそうに寝ている薄雪の髪を弄りながら太宰は考えているようだ。


何時からだったのだろうか、と。


常に傍に置いていた。
故に、見えなかったとでも云うのだろうか?


私は薄雪の好い人は中也だと勘違いしていて、
薄雪は私は誰も眼中に入れていないと思っていた、か。


太宰が中也や紅葉が呆れる程に薄雪を独占してきたことを、本人だけが全く気付いてなかったのだ。


それもそうか。
薄雪に近寄ってきた虫は2、3日も経たずに姿を現さなくなっていた筈だから、薄雪の傍にいる男が中也に見えてただけで。
薄雪は薄雪で、あの頃から私にしか感心が無かったのだとしたら、虫が消えていく事実にすら感心があるわけ、無い―――………。


はぁ~~~~~……。



「折角、『運命の再会』まで果たしてあげたのに」


ポソッと呟いて、薄雪の額に唇を落とす。


それよりも『連れ戻しに来た』事に拒絶的な意思を見せた時点で問い質せば善かったのだ。



―――今まで薄雪を迎えに行った時、
待っていなかったことなんて一度たりとも無かったのだから……。


「本当に私を狂わせる天才だね、薄雪は」


太宰の呟きに反応したのか、薄雪が腕の中でモゾモゾと動く。
が、起きるには至らなかった。


疲れているのだろう。


心当たりが多すぎる太宰はふふっと笑うと、
薄雪を抱き締め直し、自分も休むべく目を閉じたのだった。

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