第1章 いまどこで。(作成中)
頷くと嬉しそうに微笑み、私の腕を引き急
ぎ足でポートマフィアを後にした。何かい
い事でもあったのだろうか。やけに御機嫌
なのが少し怖い。
「 太宰さん。先からずっとニコニコしてて
一寸気持が悪いですよ? 」
『 ...愛する恋人に向かってそれは酷いん
じゃないかなぁ。』
と、シクシク泣き真似をする太宰さん。そ
んな他愛ないやり取りを繰返しているとあ
っという間に目的地へ辿り着いた。
「 時間が時間なので取り敢えず夕食済ませ
ましょうか。ササッと作っちゃいますから
TVでも見ていてください。 」
せっせと準備していると、....ぎゅっ。
「 ...っ!吃驚したぁ。何ですか?太宰さん 」
キョトンとして太宰さんに問うと、少しむ
くれた顔をしてボソボソと何か言い始めた。
『 もう!本当に無頓着な人だよねぇ君って。
今日何の日か覚えていないのかい? 』
馬鹿にされた様な気がした為何か言い返そ
うとしたがその後の言葉が引っ掛かった。今
日?はて、なんのことやら。
「 分からないです。今日何かあるんですか
? 」
『 ~~~~~ッ記!念!日!私達付き合っ
て今日で1年なの! 』
「...... (クスッ)」
『 今笑ったよね?はぁ、言わなきゃよかっ
た恥ずかしい。あゆの馬鹿。』
拗ねてリビングへ戻ってしまった。今日の
疑問がこれで全て繋がった。太宰さんがい
つも以上に仕事をしてなかった理由や無駄
にいつもより胡散臭い笑顔を色んな人にば
ら撒いて理由はここにあったか。
ついでに勘違いされてしまったようだが先
笑ったのは単純に嬉しかったからなのだ。