第1章 いまどこで。(作成中)
「 太宰さんっ!」
パタパタと足音をたて太宰と呼ばれる男の
元へ急ぐのは、
『 あゆ。 』
雨夜あゆ、異能力者だ。触れた
相手の記憶を見ることができる。戦闘向
きではない為、頭脳派の太宰の下につい
ている。無自覚ではあるが太宰の下につ
いているだけあって頭が切れる、おまけ
に体術にも長けている。
「 太宰さんがサボった分の書類整理が終
わりました。全くどこにいってたんです
か。 」
『 ごめんごめん、お疲れ様。今日は吃驚
する程の晴天で絶好の自殺日和だったから
入水して来たのだよ。』
「 仕事してください。 」
残念なイケメンとはこの男の為に作られた
言葉なのではないかと思う程、残念で外面
だけは文句の付けようがないこの青年こそ
私の彼氏である。
そんな失礼なことを考えていると太宰さん
が話を切り出してきた。
『 ふむ、あゆ。この後何か予定はある
かい? 』
「 いえ、太宰さんがほったらかしにした書
類が片付いたのでもう帰るだけですけど。」
『 じゃあ丁度いいね。行こうか。』
嫌味を華麗にスルーされ、放たれた言葉に理
解が追いつかず、
「 どこn『 今夜は私の家で構わないだろう?』
...(コクリ 」
と、耳打ちされ残念な残念なと言いながらも彼
のこんなベタな言葉や行動に一瞬で赤面したり
してしまうのは惚れた弱味なのでしかたがない。