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サクラ咲ケ

第5章 幼なじみの恋 #side雅紀





「雅紀、行くよ…」


「マジでぇ?」





OKも出してないのに、
勝手に決めて…


英語の授業中


突然、席を立った


「櫻井センセ!雅…相葉くんがお腹痛いってゆーから、

保健室連れて行っていいですか」




みんなの視線がオレに向けられて……




「うぅ…ん、ハラいてぇ!先生~オレ死ぬかもっ」




お腹を押さえて、
絞り出すような声を出した


「え…大丈夫か…?
じゃ、頼んでいいか?…大丈夫?」


「あ~、マジいてぇ!」

「頭も痛いのか?」

「へっ?あ!…頭も、何となく」





ヤベヤベ、押さえるとこ間違えた


教室を出て…

授業中の静まり返った
廊下を突き進んでく




「ちょっと、待てって!」

「雅紀のバカ!演技下手すぎ」




プリプリ怒って、
どんどん先に進んでく





「はぁ?何だよ!いきなり授業抜け出すとか言うし!」

「雅紀のバカバカ」

「なんだよ、お前ムカつく」

「バカにバカって言って何が悪いの」

「あのなぁ!バカってゆー奴がバカなんだぞ」





の大きなため息が聞こえた




「何…相変わらず、 小学生みたいな返し…」

「はぁ!?」





……ってを覗き込んだら……





「……うっ…グズっ…」


「ちょ!…!?」





ボロボロ泣き出すから、慌てて、保健室のドアを開けた


しんとした保健室は誰もいないようで…


どうにか落ち着かせようと、ベッドに座らせて、隣に座った






「なぁ?授業中何かあったの?」




授業始まる前は…
『次は櫻井センセだ』って…、すげー張り切ってたよな?





「言ってみ?」

「……センセ、…だもっ」





はっきり言わないから、全く聞き取れなくて……

だからそれが、言いにくい事だってわかった






「なんとなく…ね…」

「うん」

「センセの好きな人気づいてるの…」

「うん」






頭ん中じゃ、櫻井もお堅く見えて、生徒に目を付けるなんて…案外…

…なんて思ったものの…


黙ったまま、ただ、頷いた







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