第27章 そして卒業 # side雅紀
「雅紀、私ね…
あっちゃんにあの事伝えてないの」
「は?」
なんだっけ……あ〜紹介するって話!
そんなの…忘れてたって。
「なんかね…嫌だったの」
急に速度をあげて歩き出して、先に教室から出て行く。
「!それ!?」
「わかんないよ…
そんなんじゃないよ」
「うんっ」
「雅紀は私の側にいるのが当たり前でしょ」
「うん!」
いくら早足で歩いても、簡単に追いつくよ。
、やっぱお前は可愛いよ。
生意気でもなんでも
オレは以外有り得ない。
早足のに、
簡単に追いついて横に並ぶと、右手を手繰り寄せた。
「ちょっと!」
「いーじゃん。卒業だもん」
「意味わかんない」
だけど、その後、は何も言わなかった。
夕焼けに照らされたオレらの影が、繋がって延びてる。
なんだか嬉しくて、くすぐったくて。
最高に幸せだった。
◆END◆