• テキストサイズ

サクラ咲ケ

第3章 先輩と後輩#sideニノ








「何してんだよ!」




ガラリと勢い良く開いたドア

みんなの視線が集中




「雅紀、何だよ」

「遊んでるだけだって」

「あい…ば…先、輩?」





ズカズカとオレらのとこまで歩いてくると、 とんでもない事を口走った。



「コイツはオレんだからダメ!
ちゃんと男だったからダイジョウブ!」




意味ありげな言い方に、
オレの腕を掴んでた先輩まで動揺する。






「え、雅紀って…そうなの?」

「実はぁ、そうなの。内緒にしてたけどぉ。
何なら、お前らもオレと」






気持ち悪い笑顔で腕を伸ばして、唇を突き出してる







「いや、うん…俺らは、遠慮しとくわ」



タジタジで、…逃げるように、先輩達は部室から飛び出した。





「2度と手え出すなよ~
オレんだからな〜」





取り残されたオレに
相葉先輩の満面の笑みが向けられる。






「な…なんすか…」

「危なかったね!
コレで大丈夫だね」

「は…?」

「偶然、忘れ物取りに 来て良かったよ~。

あ!お礼とかいいから~気にしないで!」




ウインクらしき目線を送ってきてさ…まじ怖ぇよ。


いやいや…違うでしょ!
今ので何が、大丈夫なワケ?






その日からオレは。


『野球部3年の相葉のオトコ』
だと噂されたのは言うまでもなく…


呆れることに相葉先輩は、


『マジでヤッタの?』 っつー、デリカシのーない質問にまで、『ひゃっひゃ…知りたい?内緒!』なんて。


もぅ、完全バカでしょ。

先輩だけど、いつも呼ぶ時、相葉(か)先輩」と
心ん中で付け加えてた。






なのに、そんな先輩の意外な一面を見て。


オレは、初めて…知ったんだよね。


特別な気持ちを…



/ 49ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp