第3章 先輩と後輩#sideニノ
第一印象は…
間違いなく、
コイツバカだなって。
この先輩の言う事は聞かないでおこうって…思った。
新入生歓迎の紅白試合
頭にデッドボール受けて保健室に運ばれたって
それだけだったら、運がご愁傷様って感じだけど。
プロ野球観戦した時でも、
観客席に飛んで来たファールボールが直撃
その理由が、お菓子開けるのに夢中になってて気づかなかったってゆーから、救いようがない。
そうそう、
極めつけは例の事件
部室の片付けをしながら、
鏡に写る自分の顔を見て思わず笑った。
「お前さ…本当に男?」
ブレザーを脱いで、 シャツのボタンを外し始めた時、
側にいた先輩がいきなりオレにそう投げ掛けた
「は…い…?」
振り返ると、ニヤニヤとオレを見ている先輩が2人。
体育会系のノリで、
いきなりとんでもない命令が下されて。
「本当に男か確認してやる!脱いでみろ!」
「へ?…あ、…ちょ、」
「先輩の言う事は絶対だからな」
後退りするオレは、
壁際まで追い込まれて…
うわ!まじやばい。
そりゃ、オレが可愛いのはわかるけどっ!
そん時、現れたのが例の先輩だった。