第23章 そして卒業 #side雅紀
「らしくないって! ほらっ行ってこいよっ!」
そう言って勢い良く背中を押すと、泣きそうな顔して振り返った。
黙って頷くに、ニッと笑って見せる。
「頑張って伝えろよ!大丈夫だから!
オレが言うんだから間違いないって」
「雅紀じゃ、全然信憑性ない」
「しんぴょーせー??
難しい言葉使うなって、早く行け!」
面倒くさそうなフリを装って、手のひらをシッシッと振ると…
やっと覚悟したのか、は歩き出した。
遠ざかる背中を見つめながら、思わず大きく息を吐く。
思い切って、アイツに告白してこいよ。
そして振られたらいい。
お前の良いとこも悪いとこも、全部知ってんのはオレだけなんだから。
そして、いつもみたいに、雅紀ぃ!慰めて、って泣きついて来いよ。
ちゃんと待っててやるからさ。