第23章 そして卒業 #side雅紀
ベッドに転んでマンガを読んでると…
次第にウトウトし出して、
顔にマンガを載せたまま目を閉じた。
早いよなぁ…明日は卒業式か。
相変わらずなオレと
生まれた時からお隣で、家族ぐるみの付き合いで。
ずっとずっと、
一緒なのが当たり前だった。
オレらが生まれた時、
大きくなったら結婚させようって親同士が勝手に決めてたの知って、
は本気で嫌がって怒ったよな。
『オレだって嫌だよ!』
そう言って、あっかんべーしたけど…ホントはすっげー、ショックだったんだ。
『雅紀みたいなバカでチビなんて有り得ない!』だなんて、ひどくない?
勉強は…オレなりに、まぁ、頑張ってたし。
身長だけでも高くなろうって、毎日牛乳1リットル飲んでさ。
野球やり始めたのだって
家族ぐるみで野球観戦行った時、
『大きくなったら、野球選手のお嫁さんになりたい』って言ったの、は覚えてねーだろ?
速攻次の日に、母ちゃんに頼んで近所の野球チームに入ったっけ。
なのにさ…
しばらくしたら、サッカーやってる奴が好きだって言い出して…
それから、食べ過ぎて救急車で運ばれた事があったけど…
はバカだって呆れて笑ったよな。
あれは、お前に初めて彼氏が出来て、
やけ食いしたのが理由だなんて、未だには知らない。
自然と笑いが込み上げてくる。
にずーっと振り回されてんなオレ。
その時。
ベランダに小さな物音がして…
体を起こして覗いて見るとそこにいたのは…
「なっ、何してんだよっ」
ベランダの柵に足を掛けてるの姿で
慌てて戸を開けた。