第20章 同級生の恋 Side智
教室に入って、彼女の姿を確認すると背後から声をかけた。
『ゴメンね』なんて
謝る気はなかったけど…
結局、肝心な話し合い
なんて出来なかったから。
やっぱり、あのまま終わりなんてさ、だめだよね。
だけど彼女は、
肩に触れたオレの手を、あからさまに拒絶した。
「智と話す事なんてないから」
彼女は話し合う気もないみたいだし、
結局この後も、何度も避けられた。
マジでヤるだけの相手だったのかなオレ
そう思ったら、
必死になるのもバカらしく思えたし。
同じ教室にいるだけの
ただのクラスメートだって関係が、当たり前に成立し始めてる。
卒業、だもんね。
離れたら…新しい生活が始まったら…
一時のお遊びみたいな関係なんて、きっとすぐ忘れられる。
オレらの関係なんて
それだけのことだったんだ……