• テキストサイズ

サクラ咲ケ

第17章 幼なじみの恋 # side雅紀





弁当の事触れたら、
何…照れちゃってんの?


それ、隠してるつもり?





「やっぱり、朝買ったやつだし止めといた方がいいかな」





オレの気なんか知らないで、そんな顔して…


そか…弁当作ってもらうなんて、
知らないうちに、いい感じになってきたわけ?


ただの幼なじみじゃ、
そんなことしないよね?




「弁当…って、」




聞かずにいらんなくなって、口を開いたのと同時に…


開いたドアから、あの…幼馴染が…



相葉先輩を確認した途端、側に寄ってきてオレに頭を下げた。




「あの…ニノ君だよね?」

「はい…?」

「雅紀がよく話すから」





その一言だけで充分……苛立ちは大きくなる



「二宮です」




デカイ声で強調した。
何で、アンタにニノなんて呼ばれなきゃなんねーんだよ。


イライラしながら…
それを出さないよう黙って相葉先輩を見る。




「何だよ。なんの用だよ」

「何?サンドイッチ?
ヤダ!あれだけ食べてまだ食べるの?」




ごく自然に相葉先輩の肩に触れて…



「これはニノにあげようと思ったの!ね?ニノ!」

「本当に~?また何かお節介してんじゃないの?
…ごめんね~雅紀って昔からこうなの」


「……」






昔から知ってるなら、
何で先輩の気持ちに気づかねーんだよ。









「先輩!…それ下さい!」


奪うみたいに、先輩の持ってたサンドイッチを手にすると、
フィルムを開けて思い切り頬張った。




「お腹空いてたから助かります!」




わざとらしいくらいニコッと笑って、そう言ってやった。


相葉先輩の優しさをお節介だなんて言わせたくなかったし。


仮に、サンドイッチが傷んでたとしても。


腹でも壊したら、相葉先輩はまた、オレを心配してくれる。






……そこまで考えてたんだよね、オレ。






/ 49ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp