第17章 幼なじみの恋 # side雅紀
弁当の事触れたら、
何…照れちゃってんの?
それ、隠してるつもり?
「やっぱり、朝買ったやつだし止めといた方がいいかな」
オレの気なんか知らないで、そんな顔して…
そか…弁当作ってもらうなんて、
知らないうちに、いい感じになってきたわけ?
ただの幼なじみじゃ、
そんなことしないよね?
「弁当…って、」
聞かずにいらんなくなって、口を開いたのと同時に…
開いたドアから、あの…幼馴染が…
相葉先輩を確認した途端、側に寄ってきてオレに頭を下げた。
「あの…ニノ君だよね?」
「はい…?」
「雅紀がよく話すから」
その一言だけで充分……苛立ちは大きくなる
「二宮です」
デカイ声で強調した。
何で、アンタにニノなんて呼ばれなきゃなんねーんだよ。
イライラしながら…
それを出さないよう黙って相葉先輩を見る。
「何だよ。なんの用だよ」
「何?サンドイッチ?
ヤダ!あれだけ食べてまだ食べるの?」
ごく自然に相葉先輩の肩に触れて…
「これはニノにあげようと思ったの!ね?ニノ!」
「本当に~?また何かお節介してんじゃないの?
…ごめんね~雅紀って昔からこうなの」
「……」
昔から知ってるなら、
何で先輩の気持ちに気づかねーんだよ。
「先輩!…それ下さい!」
奪うみたいに、先輩の持ってたサンドイッチを手にすると、
フィルムを開けて思い切り頬張った。
「お腹空いてたから助かります!」
わざとらしいくらいニコッと笑って、そう言ってやった。
相葉先輩の優しさをお節介だなんて言わせたくなかったし。
仮に、サンドイッチが傷んでたとしても。
腹でも壊したら、相葉先輩はまた、オレを心配してくれる。
……そこまで考えてたんだよね、オレ。