第17章 幼なじみの恋 # side雅紀
サンドイッチの入ったビニール袋をブラブラさせて、今来た廊下を戻る。
おーちゃんが切ない顔で笑うから…なんかオレもさ?
の事を思い出して、一緒に笑った。
おーちゃんはオレと違ってさ、
3年になったばかりの頃から、彼女と仲良かったよね。
大人っぽい雰囲気の彼女と、
当たり前みたいに授業サボったりしててさ…ちょっと羨ましかったんだよね。
オレとみたいにガキみたいにじゃれ合うんじゃなくて、恋人同士って感じがいいなぁ…なんて。
でも、みんないろいろあるんだよね。
表だけじゃわかんないことが…
ぶつかった時、彼女泣いてたよ?
詮索するなんて良くないけど、ケンカでもしたのかな……
保健室の前、一度立ち止まって…深呼吸した。
ニッと笑って、ドアを開ける。
「ニノ!ごめんね、お待たせ!」
振り返ったニノが、口角を上げてオレを見る。
「お腹空いてんだよね?良かったら…と思ったんだけどさ」
ニノの座った椅子の向かい合わせに、
パイプ椅子を移動してきて、袋からサンドイッチを出した。
「昼に食べるつもりだったんだけど…」
「先輩も食べてないんですか?」
「いや、ちょっと弁当をね」
「弁当…って、」
(ガチャ…)
オレらの背後でドアが開いて、
振り返ったオレと目が合ったのは…
何故かだった。