第14章 幼なじみの恋 #side 雅紀
右手を上げて合図すると、強張った表情で頷いた
図書室を後にして、そのまま廊下を抜けて中庭に出た。
古ぼけたベンチに腰掛けて、情けなくため息をつく。
オレ、何やってんだろ
「ぜってーヤダ!」
「お願い!今日ね?5時起きで作ったの」
両手を合わせて、ずっと後ろを着いて来てさ。
珍しく迎えに来るから、おかしいなとは思ったんだよ。
「自分で渡したらいいじゃん」
学校までの通学路
突き放したキツい言い方しても、懲りずにまとわりついてきて。
「先生を呼んでくれたら、後は頑張るから!
こんな事、雅紀にしか頼めないもん」
思わず早足の速度が落ちる。
時々思う
は、わかって言ってんじゃないかって。
オレがを好きだから、何でも言うこと聞いてくれるって。
「雅紀、お願い」
その上目遣い。
オレが弱いの絶対気づいてるでしょ。
足を止めて…ゆっくり振り返った。
「今回だけだかんな!」
途端に、パアッと笑顔に変わる。
ホント重症
そんな笑顔さえ可愛いなんて。
「ぁああああ~っ!ダメじゃん!!」
どーっぷり自己嫌悪。