• テキストサイズ

サクラ咲ケ

第11章 同級生の恋 #side 智






「あのさ!」





身体を起こして、彼女の頭に触れた途端






「ゴホン!あ~!喉の調子ワリィな~と」



不自然な松本先生のデカい声が響いた。




ヤバっ…戻ってきたし!
慌ててズボンを上げて、彼女も制服を正した。




「さ~、そろそろ帰る用意でもしようかな~」





松本先生の大きな独り言は続いて…


彼女は…そっと、
カーテンから顔を出した。




「松本先生!具合悪かったから、ちょっと休んでたの」

「ふーん」

「も、帰るし!」

「……大野は具合いいのか…」




オレがいるのも気づいてんだ。


さすが松本先生、全部お見通しだって?


ベッドから降りて、 カーテンを捲ると、松本先生の前に出た。




「もう大丈夫なんで」

「そ…もう良くなったの?」

「はぁ…良くなりました」

「そりゃ良かったな」





一瞬、ニヤリと笑われた気がした。





彼女に着いて
保健室を後にする。


廊下の冷たい空気に晒されながら、ため息が漏れる




また、

……言えなかったな。






/ 49ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp