第1章 過去の話
既に息絶えた父と母を目の前に、何が起こっているのかわからず、さっきまで溢れていた涙も止まり、ただただ息が詰まるような現状を見つめていた。
私は気づいてしまった。
両親を殺したのは海軍で、数年前私を捕まえに来たのも海軍。
そして今回私を捕まえるために両親を……
ついに私は逃げ出した。
すぐ横の森に入り、道無き道を駆けた。
大きな森と大きな植物は、私の体を大人達から隠してくれた。
息を潜め、必死に隠れた。
いつの間にか眠ってしまっていたようで、朝日の眩しさに目を覚ました。
海軍はもういない。
私は寝起きの体を無理やり起こして森を抜けた。
思い出したくもない昨夜の惨劇を懐うのが嫌で、無我夢中で港に止まっていた船に飛び乗った。
その船はおそらく近くの島からやってきた船だったのだろう。
そんなことを考える暇もなく、船底近くの倉庫に身を隠した。