第1章 過去の話
────なんて夢を見たのだろう。
幼い頃の夢。
勢いよく上体を起こし、眉間にシワを寄せ、汗ばんだ額に手を当てた。
早まった呼吸はまだ収まらない。
膝にかかった毛布を乱暴に剥ぎ取って、台所まで足を運んだ。
何かを流すようにコップ1杯の水を勢いよく飲み干した。
ひと息ついて洗面所へ向かった。
今日は街で祭りがある日だった。
グランドラインの冬島のこの島は、年中雪は降らないものの、毎日そこそこ寒い気温が続く。
その中で、年で最も暖かい日が今日なのだ。
街では暖かいこの日に祭りが開かれる。
レイは数週間前から待ち遠しくて仕方がなかったのだ。
顔を洗い朝食を済ませ髪を整えた。
歯磨きと着替えもすませて準備完了。
朝見た夢の話など忘れて胸を高鳴らせながら玄関を飛び出した。