第3章 助け舟
レイはふと立ち上がって足元の換気窓を素足で蹴り割った。
「お、おい!何やってんだ!?」
ガラスの破片を手に持ち、二人の後ろに回った。
「私と違って縄だから、ガラスで切れると思うのだけど…」
そう言って手錠をカチャカチャ鳴らせながら腕を小刻みに動かした。
しばらくすればハラリと縄が解け彼の腕を自由にさせた。
「うわーー!!ありがとう!お前頭いいな!」
「おれもおれも!ヒモ取ってくれ!」
もう一人に駆け寄ってまた腕の縄を解くと、嬉しそうにお礼を言われた。
それぞれ足の縄は自分で取ったようだ。既に二人は立ち上がって、私より遥かに身長が高いことが分かる。
「うわ!!さっきまで顔見えなかったけどめっちゃかわいい!」
「ほんとだ!なあなんで捕まってたの??」
鼻の下を伸ばし慣れない言葉に照れそうになるが、今は頬を染めているほど心の余裕がない。
「え〜っと、ちょっと…いろいろ…」
いろいろありまして…と目を伏せて半ば諦めたような笑みを浮かべる。
「逃げねえの?」
「私のは縄じゃないんです」
顔の前に拘束された手を掲げ、困ったように眉を下げて見せた。
すると二人はしばらく目を合わせ、「ちょっと触るぞ」と言って私の手錠の鎖の部分を握りしめた。
「ふんっ!!」
声と同時にバキッという音を立てて鎖が千切れた。それとも、割れた?どちらにせよすごい腕力だ。目を見開いて千切れた部分を見つめて固まった。
「へ…?………」
表情が驚きの色を示し頓狂な声を上げる。
鎖は千切れど左右の腕に付いた輪っかは外れないので、手を動かす度にジャラジャラと音が鳴る。
腕を下ろし未だ驚きを隠せないままの顔で二人の顔を見あげた。