第4章 〈番外編〉君と過ごす1日
《 業story 》
「花日ちゃん、おはよ」
「あ、おはよう!」
挨拶をしてくれた業さんに返し、机にバックを置く。いつも通り教科書やらを出していると、声をかけられた。
「あのさ、来週の土曜日空いてない?」
「どうして?」
来週の土曜日はたしか何もなかったはず。
だが一体どうしたのだろうか。
「もし‥空いてるなら遊園地のフリーパスもらったからさぁ、一緒に行かない?」
「遊園地!?いいなぁ〜行きたい!」
遊園地はずっと行っていなかったので胸が踊る。だが、ふとあることを思った。
フリーパスは何枚あるのだろうか。
疑問に思ったことをそのまま聞いてみる。
「んー?2枚だけど?」
(それは悪いよね...)
業さんだって本当はもっと誘いたい人がいるのではないか。渚とか。
内心はすごく行きたいけれど、ここは遠慮することにした。
「いいよ〜他に一緒に行きたい人いるでしょ!」
それを聞いた業さんは考え込むような仕草をする。しばらくして、考えがまとまったのか口を開いた。
「いやーやっぱ花日ちゃんと行きたいかな」
「本当にいいの?」
「花日ちゃんは嫌?」
そう言う業さんは不安げな顔をしている。勘違いをされてしまったかもしれない。
慌てて自分の本音を伝えた。
「ううん!すごく行きたい!」
「じゃあよかった。あの駅の先の遊園地なんだけど、ちょっと遠いから電車に乗ってくことになるからーー」
業さんはいろいろと説明をしてくれている。それを私は少し場所で戸惑いながらも聞いていたーー。
そんなこんなで、2人で遊園地に行くこととなった。