第4章 〈番外編〉君と過ごす1日
「そ、んなの...覚えてない...」
これは嘘だ。本当は覚えている。
だって...
「私も愛してる」なんて恥ずかしくて絶対に言えない。
「覚えてるだろ」
そう言い学秀は自信があるような顔をしてる。
なぜわかるのだろうか。
内心焦りながらも「何で?」と聞いてみる。
「だってあの言葉を言った時、お前なんか動揺してただろ」
学秀の言う通り私はあの時、自分が言ったわけでもないのに恥ずかしくなっていた。
バレていて、何だか恥ずかしい。
「よくわかったね...」
「バレバレだ。」
私が溜め息をつくと、学秀はクスクスと笑っていて何だか胸が掴まれたような感覚がした。
何だろうか、今のは...。
「で、なんて言葉だ?」
「私、もあぃ...てる」
「聞こえないな」
(わかってて、言わせようとしてる...!?)
そう感じ、学秀をじっと睨むと「それは逆効果だ」と言われてしまった。
一体どういうことなのだろうか。
「そしたら...この後どうなるんだ?」
(この後...)
頭にあのシーンが浮かんでくる。
何があるか気がつき、恥ずかしくなってきた。
既にもう顔が赤いが、もっと赤くなるような心地がしてくる。
「こう、だろ」
と言うと学秀が今よりもっと近づいてくる。これはきっとあの映画と同じこと。