第4章 〈番外編〉君と過ごす1日
一回り見たいところを見終わった後、私達はまた外へ出た。
何か買おうかな、とも考えたが見ているだけでも楽しい。今日はやめることにした。
「次はどこ行こっか?」
ショッピングモールの自動ドアを抜けた後、そう声をかける。なかなか返事がこないので学秀を見ると、なにやら考え込んでいるように見える。
しばらくして「そうだな...じゃあ、」と学秀は不意に口を開いた。
「何処か公園に行かないか?」
「良いけど、何で?」
「行く宛もないし、歩くのも無駄だろ。」
私が何故かと聞くと、
目を逸らし学秀はそう言った。
学秀の案については賛成かもしれない。
「おっけ!ここの近くだと何処の公園がいいかなーー」
そうして公園に向かうことになった。
ーー
ある程度歩き、公園に着く。
子供達は休日なのにも関わらず、不思議といない。
何故だろうと考えていると、学秀にそこにあったベンチに座るよう促されたので隣に座る。
座ると、何だか太腿辺りに変な違和感が感じられた。
一体何なのだろうとスカートをめくる。
何か物体が歩いている。
(む、虫!?)
見た感じはいも虫かあお虫の部類。
それを認識したと共に、曖昧な関節に気持ち悪さを感じ、私は叫んでしまった。
「花日!?どうした」
返事をしている余裕はない。
思わず立ち上がり、無意識に泣きながら太腿の辺りを手で払っていた。