第1章 始業の時
異常に本校舎の人を嫌ってた。
そもそも、あの人も私たちと同じ中学なの?
知りたくなって、再び歩き出した渚に追いつき、聞いてみる。
「渚、あの人は誰?」
「赤羽業といって・・・同じ椚ヶ丘に行ってる人だよ。」
その話を聞いた時、うん?、と思わず聞き返してしまいそうになった。
あの人制服着てなかったけど...
今の時間なら普通着てるんじゃ...?
何が何だかわからない、という私の顔を見て渚は、察したのか教えてくれた。
「カルマくんはたぶん、今日もサボったんじゃないかな?」
(ええっ!?)
ちょっとびっくりしてしまった。
「ええー!?」
「もともとそういう人だからねーカルマくんは。」
ある程度話して納得した後、何より気になっていたことを聞いてみた。
「なんで私が椚ヶ丘って言ったら、あんな風に急に機嫌悪くなっちゃったの?」
「花日が、本校舎の人間だってわかったからだと思う。」
どうして私が本校舎だったら嫌なの、と聞くと、渚はあの人のことを話してくれた。
カルマさんは元々成績優秀な上、運動神経も良くて先生に気に入られていた。
そして喧嘩も強かったため、いじめられていたE組の先輩がいたら助けてあげていた。
渚は、カルマくんはそれが正しいと思ってやっていたのだと言う。