第3章 自覚し出す心
涙を思い切り流して、その涙に感情を放てば思いの外すっきりした。
今思えば...
何をあの人達相手に泣いていたんだろう。
気にする事なかったのに。
そう思いながら私は今数学のテストを受けている。
あれから、なんとか間に合った。
もし間に合わなければ自分はいいが業さんに迷惑がかかる。内心は焦っていた。間に合って心底本当に良かったと思う。
だが、やっぱり泣き跡はあったみたいで...
クラスの人は私を見て、それに気付きながらも何も言わないでくれた。
胸がいっぱいになりながらも、問題を解いていく。解いている最中...ある問題に違和感を感じた。
(この問題...)
文章を読むと、それは確信に変わる。業さんに以前教えてもらった所だ。
忘れていないか心配だったが、全くそんな心配をする必要はなかった。
すごくわかりやすかったから、覚えている。
そんなこんなでそこの問題はもちろん、他の問題もすらすら解けた。
ーー...これでまた学秀と並べる。
どうしてだか...学秀にはバカだと思われたくなくて、私はすごく必死だった。
ーー
国語97点。社会98点。理科99点。数学100点。英語98点。
総合は、492点。
なんとか今回も点数が下がらずに済んだ。
そして、学年3位という成績だった。
殺せんせーは、全員学年50位以内に入りなさい、ということを言っていた。
それが出来なければ出て行くと。
だが、いきなりは難しい話。
やっぱり全員は達成できなかった。
何よりできなかった理由は...そうなるよう理事長や本校舎の先生が仕掛けたことにもあった。
殺せんせーはテスト前、マッハの力を使って全員のところに1人、分身を使ってマンツーマンで教えてくれていた。その為...確実に成績は上がっていたはず。
だから、殺せんせーは多少自信があったみたいで...テスト後に帰ってきた結果を見て背を向けていた。
見兼ねた業さんが、殺せんせーに暗殺を仕掛けていた。きっと彼なりの励ましだったのだ。