第3章 自覚し出す心
それから日は経ち、ついに一学期中間テストの日がやってきた。
テストは全ての生徒が本校舎で受ける決まりになっている。だから、向かわなければならない。
つまりは・・・
仮にも、学秀と会うかもしれないのだ。
木造校舎から山を降りる最中、考える。比較的今はあまり下るだけなので楽だ。
朝も会ったはず。
なのに…考えるだけで早くなるこの鼓動は、緊張しているのだと雄弁に物語っている。
自分でもまだわかっていない。
だが、ここ最近不自然なほど、学秀を意識してしまっている気がする。
どうしてなのだろうか。
それに、緊張もするけれど...
会える事に嬉しくも感じてしまっていていた。
いつかこの意味のわからない感情に、名前をつけることができるのだろうか。
___
久しぶりの本校舎だ。
相変わらず設備は変わっていない。
理事長は私にこの学校の制度をわかってもらいたくてE組に行かせたのだろう。
けれど...自分が行き、実情を目の当たりにしたことで前以上にこんなことはあってはならないと思った。
私は...戻らない。
やはり本校舎はエアコンがあったり、機会が新しいなどを見ると改めて感じる。だが、それを見て私は強くそう思った。
E組がテストを受ける場所は3階の使われていない空き教室な為、階段を使い移動する。
A組からD組までの教室は同じ3階にあるので自然と同じ学年の人と会ってしまう。
「うわ...E組じゃん」
「あっちの校舎からの移動お疲れ様〜」
なんて、馬鹿にしたような言い方を含め歩く私達に言ってくる。
ずっと...E組の人達はこんな思いをしていたのか。
とにかく、悔しい。
そうとしか言えなかった。
E組の人達がどんな思いか、想像していた。が、それ以上だった。
言い返す言葉も浮かんでこなくて、騒いでいる人達を睨むと私に気づいた人達がこちらを見ながらこそこそを話し始める。