第3章 自覚し出す心
(単純...なのかな)
あの時のことは本当に感謝している。
確か...思い悩んでいる自分に気づいてくれたのは業さんだけだった。
そして、真剣に話も聞いてくれた。
私は...
知らなかったのだと思う。
ちゃんとわかろうともしてなかった。
だから、この勉強会でもっと話したい。
良い機会だ。
気づくと、渚とカエデはもう誘いに行って話している。
(業さんはきっとまだ来ないかな...)
たまに早く来るけれど、
大体いつもギリギリだし。
と思っていると、気づくとすぐ隣に業さんがいる。
「え!?もう来てたの...!?おはよう...」
「そんな驚くこと?」
「まだ来てないかと...」
それまで不思議そうな顔をしていた業さんは、「ああ...」というかのように納得した顔をした。
「今日はなんかそういう気分だったんだよね」
「そんなのあるんだ」
面白くて笑っていると、ふと先ほどの用事を思い出した。
(言わなきゃだった!)
「あのね、近いうちに勉強会やろうって話になってるんだけど...どうかな?もちろん来たくないなら大丈夫だし!」
「んー...行くよ」
「本当?良かった!」
これで機会ができる。
業さんがいると楽しくなりそうだ。
その後それぞれの予定を合わせた結果、週末の土曜、昼から私の家でやることになった。
(楽しみだなぁ)
土曜がとても待ち遠しい。
早く日が経たないだろうか。
そう願わずにはいられなかった。