第3章 自覚し出す心
そういえば前、数学の苦手なところを学秀が教えてくれたっけ。
『バカだな、お前は』
なんて言いながらも丁寧に、分かるまで解説してくれて。
学秀の優しさを感じたとき。
「そうだ、花日!私に勉強教えてくれない?」
「あ!じゃあ、もうちょっと人誘って勉強会しようよ」
「いいね〜!」
(誰誘おっかな)
渚は決定。
他は...どうしよう。
他に仲の良い人を誘いたいけど...誘ったら迷惑かな。
男子は渚に任せよう。
大人数になったら困るから3人ずつでいいかな?
自分の中で勝手にメンバー構成を立ててみる。
考えていると、誰を誘うかという話になったのでとりあえずは渚を誘うということと、自分たちも入れて6人ぐらいにしようと伝えた。
「メグちゃんはどう?」
「おっけー!じゃあ女子はそれで決定ね!」
と2人で話していると、違う声が聞こえたので目を向ける。
「何の話をしてるの?」
会話に入ってきたのはちょうどいいタイミングにきた渚だった。
「あ!渚、勉強会しようって話になってるんだけど男子誰誘う?」
「そうなんだ。うーん...」
誰を誘うのだろうと思っていると、渚は業さんの名前を出した。理由は、頭が良いから勉強を教えてくれそうだということで。
「じゃあ、もう1人」
「うーん...あ!」
渚が視線を向けた先には前原君がいた。
ちょうど教室に入ってきた頃だ。
「前原君誘うか」
「おっけー!」
「じゃあ、前原君は僕が誘っておくよ」
「んーじゃあメグちゃん誘っておくよ」
「じゃ、私はカルマさん誘っとく」
という風に、渚は前原君、カエデはメグちゃんを誘うということなり私は業さんを誘うことになった。
少し前は話しかけるのも気を遣っていたけれど...
この間の事もある。
まだ気軽に話せる仲ではないけれど、苦手とかそういう風にはなっていなかった。