第3章 自覚し出す心
「せんせー花日ちゃんが気分悪いらしいから、一緒に外行ってくるね」
びっくりして思わず業さんの方を見る。
(放っておいてくれると思ったのに…)
「そうですねぇ。落ち着いたら戻ってきてください。」
「おっけー」
行かない、という選択肢はできないみたいで、私は仕方なく席を立った。
私たちの歩く足音だけが廊下に響く。
向こうも外に出るまで何も言わないのか、ただ私の前を歩いているだけだ。
程なくして外へ出る。
そこでやっと業さんはこちらの方へ向いた。
「なんかあったんでしょ?浅野君と。」
(どうしてわかるの?)
当てられて何も言葉が出てこない。
様子を伺おうと顔を見るが何を考えているのかわからなかった。
「な、なんで....」
「なんでって...結構見てるから?」
(見てるって...)
少し顔が赤くなってきている事に気づき、今言われたことは考えないようにした。
きっと、冗談だと…思う。
それにしても、
どうしてわかったのか。
・・・一緒に歩いているところを見られた?
「まぁ...話してみてよ、とりあえずさ。」
そう言って業さんは私の近くのちょうどいい場所に腰掛けたので「わかった」と返事をし、自分もその隣に座った。
少し...話すだけ。
「私がわがままを言っちゃっただけなんだけどね・・・ーー」
昨日あったことを話している最中、終始業さんは何も言わず聞いてくれたので全て話したくなり、話すことにした。