第3章 自覚し出す心
「えっ…?なんで…」
どうして男だとダメなのだろうか。
さっぱり意味がわからない。
私が本当にわからなさそうにしていると、隣で「はあ…」と重たいため息が聞こえてくる。
「花日って昔から変わってないよね…」
「どこが?」
「鈍感なところ。」
鈍感?
私が・・・?
「何で鈍感なの?」
隣に赤髪が見えた。
カルマさんだ。
(でも…)
「ああ…カルマ君、おはよう。その話は後で話すよ」
「ふーん。わかった」
(あの後だからどう接すればいいか…)
脳裏に鮮明に映し出されるあの記憶。
突然景色が変わり、
ほのかに香る男の人の匂い。
上から聞こえる穏やかな声。
思い出さないはずがない。
(いやいや、ここは普通の方がいいのかな?)
いや、でも普通にしてると
慣れているように見えちゃう?
でも、何かあったように見せちゃうと
カルマさんが困らないかな。
渚とカルマさんが話している間に、結局普通にすることに決めた。
「おはよう。早いね!」
「おはよー」
(あれ、普通…?)
もしかして慣れてるの?
違う。
あれは・・・カルマさんのきまぐれ?
平然としてるということは、
そういうことになるのかもしれない。
それじゃあ、きっと恋愛的なものじゃない。
(私が緊張しているだけなのかも)
でも。少し、、
カルマさんの事がわからない。
自分が慣れていないだけなのかもしれないけれど。
軽々とするなんて。
こっちはびっくりしたのに。
・・・カルマさんのこと、
苦手かもしれない。