第2章 新しい教室、改めて新たな出会い
びっくりした...
まさか抱きしめられるなんて予想もしていなかった。
あの後カルマさんは何気なく手を振って、じゃあねーなんて言って帰って行ったけど、私は気が気じゃなかった。
(どうして?)
何故あのタイミングで。
それに...
(いきなり...)
抱きしめられる前、あの時見たカルマさんの表情を思い出す。吸い込まれそうな瞳をしていた。
赤くなっている顔を俯かせ、あまり回っていない頭で思考を巡らせる。
そういう気分になったとか?
考えたくないけど...
とりあえず女子を抱きしめられたらいいとか!?
全くあの人の真意がわからない。
家へ帰ってすぐにベッドに横になって、考えれば考えるほど顔がますます赤くなっていくのを感じ、布団を頭から被った。
しばらくゴロゴロしていると、近くにあった携帯の音が鳴る。
(誰だろう?)
表示された名前を見るとそこには学秀と書いてあった。
切られないよう慌てて出る。
「もしもし!?」
『もしもし。何でそんな慌ててんだよ』
クラスも違うくなって、話ができるのはこの頃電話やメールだけ。
前まで気軽に軽口を叩いていたのに、あまりできない。
そんな関係が学秀だけなので、寂しく感じていた。
だからこうして電話を掛けてきてくれることが嬉しかったりする。
「いやーここの所あまり話してなかったじゃん?ちょっと寂しかったかな?なんて!」
『それどういう意味?』