第2章 新しい教室、改めて新たな出会い
渚が帰った今、残ったのはカルマさんと私。
家が近いからしょうがないのかもしれないけれど。
(気まずい!)
何話したら良いのかわからないし。
向こうも黙ってる。
さっきは渚がいたから先に帰っても良いかと思ったけれど。
さすがに置いて行ったりもできないし。
気づかれないよう小さく溜息をつく。
視界の端に見えるカルマさんは話していないせいか、私よりも少し後ろを歩いてその辺の景色を見ている。
どうして良いかわからなくて下を向いている私の隣にカルマさんは静かに来た。
「何で怒ってんの?」
不思議そうにこっちを見て聞いてくるけど、答えない。
「俺、なんかやった覚えないんだけど」
ちょっと意地になって黙ってると、不意に顔を覗き込まれたのでびっくりしてカルマさんの顔を見る。
「で、何で?」
「…せっかく人が心配してるのに」
目を逸らして呟く。
再度ゆっくり目線を向けると、心なしかカルマさんは驚いたような表情で私を唖然と見ていた。
どうして…
目が合っているのにも気にならず、ただただ私も見つめる。
そんな彼は今度は穏やかな顔をしている。
「花日ちゃん、心配してくれてんの?」
「当たり前じゃん…間違えたら死んでたかもしれないんだよ?」
沈みかけていく太陽に当たるカルマさん。そんなこと…と言いたげな表情。
「もう少し…自分の命を大切にして…無理しないで」
本当に心から思う事。
あんな事をして殺せんせーを殺せても…
皆喜べない。
クラスの人や、私だって。
「花日ちゃん...」