第2章 新しい教室、改めて新たな出会い
「やるわけないじゃん...ずっといい玩具があるのに、また停学とかなる暇ないし。」
「カルマくん...」
「でさあ渚くん、聞きたいことがあるんだけど」
その後私は帰ったほうがいいかと二人に相談したが、一緒に行こうと促されたのでついていくことにした。
「殺せんせーのこと、ちょっと詳しいって?」
「うん、まあちょっと」
(そうだったんだ)
私だけちょっと話が遅れているが、気にしないでおこう。それに突っ込んじゃいけないと思うし。
「あの先生さ、タコとか言ったら怒るかな?」
「いや、それは怒らない気が...」
「タコ?うん、そうだね。寧ろ逆かなぁ...自画像タコだし、ゲームのじきもタコらしいし...この前なんか砂場に穴放って、「タコツボ」っていう一発ギャグやってたし。」
自画像タコっていうのは私が出した課題のノートにも書いてあったから知ってたけど...一発ギャグは知らなかった。
ちょっと...見たかったかも、しれない。
「先生にとっても、ちょっとしたトレードマークらしいよ、タコは。」
「ふ〜ん。そーだ、くだらねえ事考えた。」
「どうしたの?」
気になって聞いてみた。
「俺さあ、嬉しいんだ。」
あいつがただのモンスターならどうしようかと思ったけど、案外ちゃんとした先生で。
この人は、目の前にいる人は...一体何を考えているんだろう。
「ちゃんとした先生を殺せるってさ...ふふふふ、前の先生は自分で勝手に死んじゃったから」
電車や落ちていく陽の光で照らされる彼の顔は、さっきとは打って変わって険悪な笑顔になっていた。
息を呑むだけで
...私達は何も言えなかった。