第2章 新しい教室、改めて新たな出会い
放課後、椚ヶ丘駅ーー
「じゃーなっ渚、天野」
私達は授業が終わり帰っていた。
たった今、杉野くんと別れたところだ。
歩いていく彼を渚と見ていると、
「おい、見ろよ渚と天野がいるぜ?なんかすっかりE組に馴染んでんだけど」
「だっせぇ、ありゃもう俺らのとこには戻ってこれねえな」
本校舎のクラスの2人が私達の事を言っているのを聞いてしまった。気になって隣を見ると、渚は浮かない顔をしていた。
「しかもよぉ、停学明けの赤羽までE組復帰らしいぞ?」
「うっわ最悪!マジ死んでもあそこ落ちたくねえわ」
こういう事を言うから、俯くしかなくなってしまう。...それに、カルマさんに何があったか知らないくせに。
はっきり言って、鬱陶しい。
「ちょっとっ!」
居ても立っても居られなくなって言いだした時、パリンッという音で言おうと思った事は打ち切られてしまった。
その場にいる全員が音のした方へ視線を向ける。
「ひっ!」
さっき噂していたあの人がいたのだ。
「へぇー死んでも嫌なんだ?じゃあ...今死ぬ?」
微笑みながら割った瓶の先を本校舎の人に向けるカルマさんは冷たい目をしていた。
「っあ、赤羽...!?」
一目散にさっきまで舐めた態度を取っていた二人は逃げていった。
あの人達に向けていた冷たい目は忘れられないけど...こんなタイミングで言うべきではないがすごいと思った。
簡単に、ねじ伏せられてしまうのが。
それだと、恐怖で支配する理事長と同じになってしまうのかも知れないけれど。