第2章 新しい教室、改めて新たな出会い
別のクラスになれば何か変わると思っていたが、学秀とは変わらず今まで通りの仲でやっていける。
言い合いをする仲が、良い仲と言えるのかはわからないが。
きっとこの関わり方が私達なんだと思う。
私は今日だけであったことを学秀に話した。
180度、昨日までとは全く違ったから。
‥…担任があの、月を爆発させた犯人という事だけを除いて。
クラスの皆にいろいろな個性があって。
元気があって。
何というか明るくて。
「そうか...A組とは違うんだな」
「そうかもね」
また何か言われる覚悟で話したが、思いの外、学秀が掛けたのは穏やかな言葉だった。
驚いて思わず隣を見ると妙に落ち着いて目を伏せている学秀が見えて、どういう事かわからないけれど。
ずっと見ていたくなる。
「きっと僕たちA組は楽しいとは無縁なんだと自分でも思ってる。」
「・・・」
確かにいう通りだと思う。
日頃から勉強に力が入りすぎてしまっていて。
学秀はA組をどうしたいんだろう。
昔からの付き合いだけれど、彼の思考はまるでわからない。
けれど、それはそれでいい気もする。
ただ楽しく話せたら。
学秀が何か悩んでることがあったら相談してくれたら。
まあ、してくれないだろうけどね。
隣にいる学秀を考えていたがそれを打ちきり、ふと空を見上げる。
程良い風が頬にあたり涼しく感じる。
夕日が深まっていく綺麗な空を、ただ見つめていた。