第2章 新しい教室、改めて新たな出会い
「じゃあねー花日ちゃん!」
「うん、じゃあね~」
あっという間に新しい教室、先生での授業は終わり、私は山道を降りて歩道を歩く。
「どうだった?もう嫌になったか?」
後ろから聞こえたので振り返ると、学秀が意地悪な笑みをしながら傍へきた。
やっぱり…いつも通り嫌な事しか言わない。
心配してるのか、揶揄っているだけなのか。
「別にー?A組より遙かに良かったよ。仲良くしていけそうって感じ。」
「もう馴染んだのか?」
「まぁ…そうかもね」
学秀はここで思った。
軽い感じで聞いてみたが、花日の様子からして本当に仲良くなってしまったに違いない。
そうなると、彼女がこの先「戻りたい」と言う事はなくなってしまうのではないか、と。
当然居心地がいい方を選ぶだろう。
「…僕はちょっと困ってるけどな。」
ちらっと花日の方を見て学秀は呟いた。
え、と戸惑っている様子。
何だかいたたまれなくなって、不意に思いつきで苦しい訳を次に言う。
「いや...お前にしか嫌味言えないから」
そして花日は学秀の心の内を全く知らず、本当に信じ込んでしまった。
(それって…私になら何言ってもいいって思ってるの!?)
ショックなのかどうなのか、深いため息をついた。
もう意地悪なことを言われるのは慣れている。
「はぁ...私はもう学秀とこうやって言い合うことないから安心してるけど!」
仕返しみたいなもので、半分意地になって言ってみた。
本当は、学秀と喧嘩腰で言い合うのは嫌いじゃない。
寧ろ、楽しいとさえ思ってしまっている。