第5章 募る想い
「修学旅行、明日だね!」
「だな」
修学旅行前日。
普段通り一緒に学秀と帰っていた。
あの日‥‥
好きだと自覚してから、
いつも学秀と話す時に緊張してしまう。
私は今までどうやって会話をしていたのだろうか。
そう思いながらも、頑張って話題を作る。
「ねえ...お土産、誰に買うの?」
しまった...焦りすぎて変なことを言ってしまった。言ってから気づき、後悔する。
いきなりお金の事を聞かれて、
きっと困っているに違いない。
それに、ここは聞く場面ではない気がする。
「特にいない。」
「理事長は?」
「あげるような人じゃない」
話がやっぱり途切れてしまう。
何を言えばいいんだろう。
「...じゃあ、花日にやる」
私が悩んでいると、学秀は不意に呟いた。
でも、私だって行くはず。一緒に行く人にあげても意味はないのではないか。そう疑問に思い、聞いてみた。
「あげるっていうんだから、素直にもらっとけ」
だがそれだと悪い。なので瞬時に思いつき、「交換する」ということを提案してみる。
すると学秀は悪戯に笑い、
「ちゃんと考えて決めろよ?」
と言うので、私はその笑顔に胸が高鳴りながらも頷いた。
修学旅行がさらに楽しみになりそうだ。
学秀のお土産を決めるのに、
自分がウキウキしている事を隠せなかったーー。