第4章 〈番外編〉君と過ごす1日
突然のことに驚きながらも、何事もないかのように振る舞う。私が勝手に反応してるだけかもしれないからだ。
「え、クレープ食べたらいいのに」
「俺はさっきので十分」
目の前の業さんの反応を見て、やっぱり変な意味でやったのではないと結論付けた。
まさか私にやるわけはない。
そう考えながらもさっきのことを思い出してしまうので集中するためクレープをできる限り頬張った。
ーー
クレープも食べ終わり、紙をゴミ箱に捨てる。
「あー美味しかった!」
「よく飽きないねえ」
スイーツはきっといくら食べても飽きない。先ほど満足したことを思い出して心底思う。
「ありがとうね!奢ってくれて」
「どういたしまして」
やっぱりこういうところは優しいんだなと心底思う。
こんな事言ったら悪いかもしれないけど、今日はいろいろと感情に振り回された1日だった。
‥‥さっきも思った通り、時に振り回されて...でも、優しくて。
最初はどうなるのかと思っていたけれど、隣にいる業さんとのデートは楽しかった。
「それ以外でも...ありがとう!」
「ん?俺何かした?」
「別に〜!」
ちょうど、面白そうな乗り物を少し遠くの方で見つける。
まだ時計は4時。もう少しあるこの時間を、楽しもう。
そう思い、「あそこに乗りたい!」と言って業さんの手を引いたーー。