第4章 〈番外編〉君と過ごす1日
気になって、携帯でこの遊園地のお化け屋敷の評判を見てみると、かなり怖いとか不意打ちがやばいだとか書いてある。
調べちゃいけなかったかもしれない。
もっと怖くなってきた。
業さんの目の前にその画面を持っていき、見せる。私に気づき画面をしばらく読んでいたが、何気なく「へえ」と言った。
「や、やっぱりやめない?」
「何言ってんのー怖そうだから面白いんじゃん」
やっぱり説得するのは無理で、ついに私達が入る番になってしまった。
入り口にいる従業員さんなんかは、「途中の所でリタイヤがあるので怖くなったら出てもいいですよ」なんて言っている。
‥‥‥本当に憂鬱だ。
入り口は病院っぽくなっていて、ガラスにドアのような感じだ。ドアを開け入ると辺りは真っ暗だった。
そして、演出なのか蜘蛛の巣がはってある。
ふと思い出した。
先程、張り付いてもいいかと冗談交じりで言って、「いいよ」と承諾してくれた。だけど本当にいいのだろうか。いきなり腕に抱きつくとか...ハードルが高い。
(でも怖いなぁ...)
入って早々そう思う。
この暗い雰囲気だけで無理だ。
「で、抱きつかなくていーの?」
と言う業さんは全然この雰囲気に動じていない。出る前と同じような感じだ。
「いいの?」と言われると、やっぱり何もせずにはいられなくなる。これからの事を考えると。
「...じゃあ、これだけ...」
少し前を歩く業さんの服の袖をちょこんと掴む。これでも十分恥ずかしいけれど、まだいけそうな感じがする。