第4章 〈番外編〉君と過ごす1日
昼食も終え、時計は2時ごろを指している。先程からも人が多かったが、今はもっとすごい時間帯だ。
つまり、列ももっと長くなる。
それなのに‥‥私達は今、他の所よりも遥かに長い行列に並んでいる。
理由は簡単だ。誰かさんがここへ行こうと言ったからだ。
混んでいるのはそんなに気にならない。
だが、問題はそれ以外にあった。
そう、ここの並んだ先は廃病院。お化け屋敷な訳だ。そんな心臓に悪い場所は絶対に行きたくないのだ。
とはいえ、それを拒むわけにもいかない。連れてきてもらったんだから、ついていくべきだ。
それに業さんだったらちょっと安心する。‥‥違った意味でだが。
緊張を和らげてくれそうな感じだ。
そういう安心の気持ちもあるけれど、やっぱり行きたくない。できることなら。
「本当に行きたいの?」
「面白そーじゃん」
これが面白そうなんて変わってる。
心底そう思いながらも、諦めるしかないと悟る。
ため息を一息つき、
「‥‥めっちゃ張り付くけど、いい?」
と聞いてみた。たぶんそうなるだろう。1人で行けというのは本当に無理だが、張り付いてでなら。まだいける。
「もちろんそれぐらいはいーよ」
「ならよかった。」
それ以降は何気ない会話をして順番を待つ。
行列がすごくて、全然出番が来なさそうだと思った時はあまり意識していなかった。が、今は怖いと思えてくる。