第4章 〈番外編〉君と過ごす1日
「そんなこと言ってる場合じゃないの!」
と訴えても業さんからは返事がこない。どうしたのだろうと隣を見ると、ガクンッと急に乗り物の角度が変わった。
「わっ」
思わず声を上げた瞬間、いきなりすごいスピードでジェットコースターが下り始めた。
(これが無理なんだって...)
怖くてずっと前の取っ手を握っていると、その上から手が重なる。見ると、業さんだ。
「大丈夫だから」
そう言われてから、あまり覚えてない。
ただ...結構安心した気がする。
勝手に乗せられて..勝手に安心させて。
一体なんなのだろう。
「ふー楽しかったねえ」
「私は怖かったけど...」
さすがに2回乗ることはないだろうから、とりあえずは安心かもしれない。
ただ...次も何に乗りたいなど言われるのは怖いなぁとはやっぱり思う。
「花日ちゃんどこ行きたい?」
「‥‥‥あーうーんと...じゃあ、あれは?」
突然言われ、特になかったのでとりあえず近くにあった乗り物を指差す。
あまり怖くなさそうなやつだ。
「おっけー。じゃいこ」
すんなり承諾するとは思っていなかったので、正直驚いたが何も言わなかった。
この後3、4箇所あたりかこういうやりとりをしながら次々と乗り物を回っていった。
こうして時間は経っていき、お昼になったので私が作るのに数時間かけたサンドイッチを食べることとなった。