第4章 〈番外編〉君と過ごす1日
「そっか。体力結構ある系?」
「だと思う!」
答えながら業さんを見る。
普通なら男子でも疲れてしまいそうなのに、私よりももっと余裕があるように見えた。
こうして歩いているうち、さっきから見えていた乗り物などがより見えるようになった。
見た所大きそうな遊園地だ。
‥‥‥すごい。
「やっと着いた。入ろ」
「うん」と返事をし、後をついていく。
受付みたいなところに行くと、業さんは言っていたフリーパスを出していた。
ただで行かさせてもらって何だか申し訳ない。せめて「あれ乗りたい」とかの我儘は言わないでおこうと思った。
「よし。行こ」
と受付を終えたのか私に言い、当たり前のように颯爽と手を差し出した。
(手を繋ぐって事?)
これはそういうことだろう。
けれど、良いのだろうか。
どうすればいいのかわからなく、「え?」とあたふたしていると見兼ねた業さんは振り向く。
「だって、デートじゃん?」
とは言われても困惑してしまう。
‥‥そんなにあっさり繋ぐもの?
「ほら」
迷っている私の手をとり業さんは繋ぐ。すると、歩き出したので私も隣に並び、歩いた。
周りを見るとまだ午前中だが、人が多く賑わっていることがわかる。
こんなに多いと乗り物に乗る時の待ち時間が結構かかりそうだけど、大丈夫なのだろうか。
それは少し心配だったが、気にしないことにした。