第10章 私の恋人は魔王☆
歌恋はヒールを脱ぎ、素足になり砂浜を歩いていた。
その姿をとても愛おしそうに、幸せを噛み締めながら信長は後ろでスーツのパンツのポケットに手を入れて見つめていた。
その後、二人で海をバックに写真をスマホで撮ったり、シーグラスを探したりと夕焼けが眩しくなる頃まで過ごした。
「信長様・・・?」
信長「なんだ。」
「夕焼け綺麗ですね・・・。」
青い海がオレンジ色に染まり、風も涼しくなり、秋の訪れを感じながら歌恋は風に靡く髪の毛を耳に掛け波の音を聞き、夕日を見つめていた。
(お前のその横顔もいや、歌恋の方が綺麗だけどな・・・。ふん、そんな事を言ったら夕日よりも赤くなりそうだな…)
そんな事を思いながら・・・
信長「あぁそうだな。」
一言だけ返事をし、信長は歌恋にそっと肩に腕を回し、自分の方へと寄せ二人で夕日が沈むまで見つめていた。
その後・・・
「すっかり真っ暗になっちゃいましたね」
信長「そうだな。どこかでディナーでも食べていくか。」
「はい!」
(信長様と2人で食事なんて久しぶりだな!どこがいいかな?)
信長「何をにやけてるんだ?」
「だって・・・久しぶりに外で二人で食事なんて久しぶりだから・・・うれしくて・・・//」
信長「そうだったな。今日は歌恋の食べたいところ、行きたい所に行くぞ。」
「信長様と一緒ならどこでも嬉しいです・・・。」
信長「俺は早くお前が食べたいがな・・・」
「んっ・・・・・・・・・。はぁ。」
信長に不意打ちで唇を塞がれ息が出来ずに胸を叩くと、イタズラめいた笑みを浮かべていた。
その日の夜は信長の屋敷の近くにあるこじんまりとしたレストランで食事をとる事にした。
店の中に入ると、店の人が恭しく挨拶をし、信長の上着を受け取ると、「いつものワインで宜しいですか?」
信長「あぁ、頼む。」
「私は先日頂いたカクテルをお願いします。」
ーかしこまりました。ごゆっくりとー
それから二人で乾杯をし、お店のシェフの料理を堪能し、酔い覚ましの為にと毎度恒例、手を繋ぎながら歩いて信長の屋敷へと戻った…。