第8章 明智光秀 生誕祭~満月に願いをこめて~
歌恋は着物のズレを直し、髪の毛を整えた。
「歌恋・・・。」
「はい?」
「新しく着物を仕立てたのか・・・。」
「えっ・・・、はい・・・。光秀さんのお誕生日の日に着たくて・・・。」
「そうか・・・。よく似合ってるぞ。」
「ありがとうございます・・・//あっ、実は・・・」
そう言って歌恋はタトウ紙に包まれたものを持ってきて光秀の前に置いた。
「光秀さんのお誕生日のお祝いにと新しく仕立てたんです。私のと対になっている反物で。」
歌恋は信長に特別な反物だといって譲り受けたもの、宴にはこれを着て参加して欲しいと話した。
「分かった。お前が作った着物だ。宴はお前とお揃いの着物で出る。」
そう言うと光秀はもう一度歌恋を抱きしめ、額に一度だけ口付けをし、それぞれの場所へと出かけていった。
その夜。
秀吉「みんな揃ったか?」
秀吉「じゃ、始めるぞ。」
秀吉「光秀、誕生日おめでとう!乾杯!」
全員「かんぱーい!」
安土城の大広間には信長、秀吉、光秀、政宗、家康、三成、歌恋が揃い、宴が今か今かとなり、秀吉の乾杯の音頭で光秀の誕生日祝の宴が始まった。