第8章 明智光秀 生誕祭~満月に願いをこめて~
手を繋ぎ安土城へ向かって歩いて帰った。
光秀は夕餉の後残ってる仕事があるからと部屋をあとにした。
「さっ、あとちょっと仕上げ無いと。」
光秀にあげる着物はほとんど完成した。あと少し光秀の家紋を入れたかった。
信長に譲り受けた反物は、今後祝の席で着られるような物がいいと。
だからこそ家紋を入れたかった。
「よし!出来た!あとは当日の朝にこれを着てもらうようにすれば大丈夫!」
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誕生日当日の朝
前日の夜もこれでもかと言うほどに歌恋を求め、愛し合った。
それでも歌恋は朝一番で光秀に自分の仕立てた着物を来て欲しく、眠い目を擦りながら早くに起き支度をし、光秀が起きるのを待った。
(ん・・・、歌恋が居ない?昨日あれだけいじめてやっても足りなかったか・・・)
褥の横にいるはずの歌恋の姿が見えずにそんな事を思っていると・・・
「光秀さんおはようございます。」
光秀の横に新しく仕立てたであろう着物を着て、うっすら化粧を施した歌恋がいた。
「ん、おはよう歌恋・・・。」
「わぁっ!」
光秀は布団の中から歌恋を抱きついた。
「光秀さん・・・お誕生日おめでとうございます。」
歌恋も一瞬戸惑ったがスグに抱きしめ返し、言いたかった言葉をそのまま囁いた。
「あぁ、お前とこうして今年も一緒に祝えることが嬉しい。」
「私も嬉しいです。光秀さんのお祝いが出来るのが。もちろん傍に居られることも。」
(あぁ、なんて愛らしいのだ・・・。朝出なければこのまま滅茶苦茶にしたい所だ・・・。)
「もう少しこうさせていろ・・・。」
「んっ・・・。」
(昨夜も歌恋の意識が無くなるまで抱いたが、それでもまだ足りないと思うのはもう中毒としか言えないな・・・。)
「んはぁっ。光秀さん・・・、ダメ、ですよ・・・軍議がぁ・・・」
「そうだな・・・、だがもう少し・・・俺と一緒に褥にいろ・・・。」
「もう・・・!」
しばらくして起き上がると歌恋は着物のズレを直し、髪の毛を整えた。