第8章 明智光秀 生誕祭~満月に願いをこめて~
もうすぐ満月の夜。
光秀さんは今日も帰ってこれないと・・・。
『今宵もお前の可愛い顔が見れないのは残念だが、帰ってきたらたっぷりいじめてやるから、楽しみにしておけ。』
そう手紙が家臣の人から届けられ、光秀の居ない部屋で1人満月を見ていた。
「えっと・・・、本には【月に向かって、恋の願いを声に出して伝える】って書いてあったな・・・。」
「光秀さんに釣り合うお嫁さんになれますように・・・」
(500年後の世界から来た私を寂しくならないようにって気を使ってくれた事に気づいたあの日・・・。光秀さんのそばにいたい、ここが私の帰る場所にした。そんな私を受け入れ、愛してくれた彼に釣り合う女性になりたい。)
そう思いながら、月に向かって願いを掛けた。
次の日。
安土城にてー
政宗「よっ、歌恋!」
歌恋「政宗!!こっちに来てたの?!」
政宗「あぁ、信長様から呼ばれてまたしばらくは安土にいることになりそうだ。」
歌恋「そうなんだ!じゃまた政宗に料理教えて貰おうかな!」
政宗「久しぶりに会ったんだから甘味処でも行くか?」
歌恋「うん!行きた・・・、あっ・・・」
(願いを掛けてから半月は好きな食べ物は我慢しなきゃ行けないんだった・・・)
政宗「どうしたんだよ?」
歌恋「えっと・・・、今日はお腹空いてないからまた今度行こ!ごめんね!」
歌恋はそのまま政宗の側から走って逃げるように去っていった。