第7章 ぷろぽーずはまだ?
三成は二人に深々と頭を下げ歌恋の元へ向かった。
(ちょっと遅くなってしまいましたが、これであなたを正式にお迎えに行けます。)
愛しい人の顔を浮かべながら普段走ることのない体にムチを打って走った。
その頃裏庭の歌恋は・・・
「三成くん遅いな・・・。どうしたんだろう・・・」
なかなか来ない待ち人の事を心配になり、探しに行こうとすると・・・
「歌恋様!」
息を切らした三成がようやく裏庭へと着いた。
「三成くん?!」
「遅くなって・・・はぁ、はぁ、すいません・・・はぁ、はぁ。」
「どうしたの?そんなに息切らして。」
三成はしばらくして呼吸を整えると、歌恋の肩に手を宛て、真剣な面持ちで歌恋を見つめた。
「歌恋様。今日であの日より一年が経ちました。まだまだ未熟者で他の皆様には武術では敵わない所はあります。」
「ですが…、ですが、貴女は私に“愛する事”を教えてくださった。愛する事がこれ程熱く、様々な感情を生み出すとは知りませんでした。今までに無い様々な感情をさせる貴女をもっと知りたい、私だけのものでいさせてほしい。そう思い貴女とお付きあいしてきましたが、これからは本当に私だけのものになって下さいませんか?」
そこまで言うと三成は小さな桐の箱からキラキラと光る指輪を見せた。