第2章 短冊に込めた願い~家康編~
夜。久しぶりに家康、政宗、光秀が戻ってきたので広間でみんなで夕餉を食べることになった。
「そう言えば歌恋、短冊とやらに願い事は書いたのか?」
信長が上座から呼ぶ。
「はい。2枚は書きました…。もう一枚はまだ・・・。」
「なんて書いたんだ?」
秀吉がのぞき込む。
「どうせ家康といつまでもいたいとでも書いたのではないか・・・くくっ」
光秀がお酒を飲みながら揶揄い、喉をくくっとならして笑いながら言う。
「歌恋様のお願いならきっと叶えて下さいますよ。」
エンジェルスマイルを向けながら食事に手をつけ話す三成。
「違うって…!もぅ・・・!」
後で飾ろうと思って持ってきていた短冊を見せる。
【平和な世の中になって、家康や安土のみんなのそばにずっといられますように。】
【安土のみんなが健康で、怪我もなく、幸せに過ごせますように】
「結局家康のそばにいたいといった光秀の言う事は当たってるじゃないか。」
政宗が笑いながらお酒を口にする。
「家康だけじゃなくて、みんなの事お願いしたかったからこれにしたんだよ!」
顔を赤くして必死に説明をする歌恋を見て家康が口を開く。
「みんなして俺の歌恋をいじめないでくれません?」
「家康・・・」
「でも、確かお前3枚書く事になったんじゃなかったのか?」
秀吉がふと歌恋の方を見て聞いてきた。
「うん・・・そうなんだけど、決められないから先にこっちだけ飾ることにしたんだ!」
「早くしないと七夕になっちまうぞ!」
政宗がぽんと肩を叩きながら話す。
「そういう政宗やみんなは書いたの?」
武将達は書いた願い事をそれぞれ見せる。
(家康はなんて書いたんだろ・・・)
信長は【天下布武】
秀吉は【いつまでも信長様のそばで】
政宗は【上手い料理を作って戦も勝つ!】
光秀は【特に無い】
三成は【知識を得て更に博識豊かに】
みんならしいなぁ・・・。
「あれ?家康は?」
「まだ書いてないから後で見せるよ」
「分かった・・・」
その後すぐにそれぞれの部屋へと戻っていった。