第6章 ご飯にしますか?お風呂にしますか?それとも・・・家康編
夢中になっているうちにあっという間に時は過ぎて・・
(大変!もう日が傾いてきちゃった…。そろそろ夕餉の支度しなきゃ!)
必要な食材は昨日のうちに買い揃え、今日は家康の好きな煮物を作ることにした。
「ワンピース着たいけど、今着たらみんなびっくりするだろうからエプロンだけ着けよう!」
そう張り切って作り出した。
「うん!味もOKだし、湯殿はもう出来てるし、完璧!」
「歌恋様、その白の前掛け珍しい形ですね。」
「はい、これ行商やってる友人がお祝いにくれたんです!」
「きっとそのお姿を家康様がご覧になったら大層お喜びになるでしょうね。」
「そうかな・・・//」
女中さんに褒められ少し照れくさくなった歌恋。
女中さんや家臣の人には家康が帰ってきたら知らせてくれるように頼み、部屋へと戻った。
(今日は部屋でご飯一緒に食べれるし、早く新しいワンピース見てほしいなぁ。)
家康を待つ間にワンピースに着替え、佐助に貰ったエプロンは依桁に掛け、うっすらと紅をさし、化粧をし帰りを待った。
(家康まだかな・・・。)
待ちきれずに外に出ようと立ち上がった時に、待ちわびた人の声が聞こえた。
「歌恋いる?」
「家康!」
襖が開くと歌恋は家康に飛びつくように出向かえた。
「おかえりなさい!」
「ただいま・・・って、何その格好」
「へへ、ずっと前に買った布でワンピース作ってみたの。どうかな?」
「わんぴーす?」
「あっ、ワンピースってね。着物みたいに合わせが無くて筒状になって着るやつでね、たまには、違う格好してみようかなと思って作ってみたの。」
「可愛く無い・・・かな・・・?」
「むしろその逆。」
「えっ?」
「可愛すぎだから・・・」
家康は理性が吹き飛びそうな位、歌恋のワンピース姿に見とれていた。
ヒラヒラと薄い布で出来たそれを回して、嬉しそうにここはこうやって作ったとか話しをしてる歌恋が可愛くて可愛くてたまらなかった。
「聞いてる?」
「聞いてるよ。」
「そう言えば、佐助君がね、500年後の日本の男の夢として、夫を出迎える時に『おかえりなさい。ご飯にしますか?お風呂にしますか?それとも・・・』」
「それとも・・・なに。」