第20章 いつまで貴方のお側で~ランスロットBD~
(この表情を見る限りは喜んだのだろうな……)
この所仕事が立て込み、夜遅く部屋に戻ると眠っている顔しか見れていないことが続いていた。
夜出来るだけ歌恋と会う時間を作ろうと、朝も早めに行くも終わらず……そんなことが続き寂しい思いをさせているのではないか……と。
「冷えたのではないか?」
「大丈夫ですよ。ランスロット様のほうが寒くなかったですか?私に上着を掛けて下さったので……」
「構わん。歌恋が風邪を引く方が俺には堪えるからな。」
「ランスロット様……」
そのまま身体を互いに寄せ合いながら車に戻り
、再びランスロットの運転で車を走らせる。
来た道とは違う事に気づくも久しぶりのランスロットの運転で二人きりで居られる時間が長くなるならばその方がいい……そう思っていた 。
それは歌恋だけではランスロットも同じで……
(このまま戻るのは勿体ないな……。もう少し遠回りしていくか……。)
「ドライブして帰るか。」
「はい!!」
ランスロットの提案に勢いよく笑顔で返事をし、楽しみにしていたはずのランスロットのドライブだったが、暖かな車内と揺れと、この所のパーティーの準備で慌ただしく、隣りにランスロットがいる安心感など幾つも重なり、いつの間にかウトウト眠ってしまったのだった。
(折角のドライブだったが、こうやってお前の愛らしい寝顔をゆっくり見れただけでも良しとするか……)
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「おかえりなさいませってランスロット様?!」
「おやおや、眠ってしまったのですね。」
気持ちよさそうに、幸せそうに眠っている歌恋……。
その姿に一瞬動揺したヨナと、微笑ましいという表情でみるエドガー。
「このまま部屋に戻る。報告は明日聞く。」
『御意』
人払いをし、部屋に戻り、歌恋を優しくベッドへ降ろすと身動ぐような様子も見られたが再び深い眠りへと落ちた。